自転車ひとり旅〜風に誘われ、趣くままに〜

自転車旅で出逢う風景や人々の記録です。同好の士とのつながりや交流のきっかけになるといいかなと思っています。

2019年9月22日藻散布沼、霧多布湿原

 2019年9月21日朝7時、釧路駅前のホテルを出発。国道44号を東へと行く。天気予報は晴れのはずが曇り。車が多い国道を2時間半行くと、厚岸町を臨む高台に出た。牡蠣で有名な町だ。漁協が経営するお店で、牡蠣を頬張る。口いっぱいに広がる潮の香り。

 

 厚岸大橋をわたって、道道123号に入る。今日のメインの目的地は、藻散布沼だ。ずっと行ってみたいと思っていた。観光地として有名ではないけれど、ジブリ作品「思い出のマーニー」のモデルとなったところということで、知る人ぞ知る場所である。原作は、有名な英国の児童文学で、ノーフォーク州がモデルと言われている。原作も映画も好きな私は、英国には行けないけれど、この藻散布沼は行ってみたかった。

 

 道道123号は車も少ないし人気もない。曇り空ということもあって、最果てに来た感じがする。そのうちに、海岸線の断崖の上に出た。風に吹かれて気持ちがいい。アップダウンを繰り返しながら、とうとう藻散布沼に着いた。手漕ぎボートが浮かび、漁師さんが船を操っている。寂しげだけど、夢のような場だ。原作のイメージどおりだ。来てよかった。

f:id:takefjb:20191031231416j:plain

 

 ここから先は、おまけのつもりで霧多布湿原に向かう。どんなところか全然調べていないが琵琶瀬からの展望がいいらしい。お昼ごはんの時間が過ぎ空腹を抱えながら先に進む。やっと日差しも差してきたと思ったら視界が開けてきた。すると、そこに霧多布湿原。息を呑んだ。絶景だった。こんな風景は初めてだ。

 

f:id:takefjb:20191031231558j:plain

 

 琵琶瀬から町の中に向かう。なんとも言えない、潮の香りががする。風と空気を感じることができるのは、自転車旅ならではだ。あ、昆布を干している、そうか、厚岸で食べた牡蠣の香りだ。浜中町の高台にある温泉で夕日を眺めた後、民宿に到着した。晩御飯は、私を含めた3人の旅人と民宿を経営する家族3人の合計6人で食べる。親戚の家に泊まったような居心地の良さだ。こうして、私の北海道自転車旅の初日は終わった。

 

f:id:takefjb:20191031231759j:plain